ロボットによる自動化
2022/1/12改訂
製造業の人手不足
製造業では今後の労働人口の高齢化、人手不足の懸念から自動化・省力化を活発に進めています。
1 柵不要“協働ロボット”
各ロボットメーカーは柵の不要な協働ロボットを前面で展示。省スペースで人とロボットが共存できるメリットがあるという。一方で柵を不要にするためにはロボットに関する安全基準を満たす必要があります。
中央労働災害防止協会の『機能安全活用実践マニュアル産業用ロボットシステム』によると「昭和56年の産業用ロボットによる初めての死亡災害を契機に、産業用ロボットに関する労働安全衛生規則が整備され、その後、産業用ロボットの設計に当たっての安全要求事項を規定する国内外の安全規格が整備されてきた。このような規則や規格の整備と普及により、産業用ロボットによる労働災害は減少してきているが、いまだに30 件/年前後発生しており、その過半数は挟まれ・巻き込まれ災害や激突され災害という比較的重篤な危害を生じている。」
国際規格、安衛則ともにリスクアセスメントが重要視されており、十分な安全策を講じる事が重要のようです。
産業用ロボットの安全については「ISO 10218-1:2011(JIS B8433-1:2015) ロボット及びロボティックデバイス-産業用ロボットのための安全要求事項-第1部:ロボット」、「ISO 10218-2:2011(JIS B8433-2:2015) ロボット及びロボティックデバイス-産業用ロボットのための安全要求事項-第2部:ロボットシステム及びインテグレーション」で規格されており、力・動力の抑制や速度と距離の監視、停止監視などが要求されています。
2 ビジョンカメラ×知能プログラム(AI)×ロボット
ビジョンカメラ(カメラ+プロジェクタ方式など)によりバラ済みされた材料を3次元で認識し、ロボット移動するものや2カメラを装備した双腕ロボットなど、目と脳を持つロボットが産業用途で導入されてきています。 知能プログラム(AI)付のロボットシステムではティーチレスで操作が可能なものもあり、使用現場にロボットの専門家がいなくても導入できるようになってきています。
3 AGV(無人搬送車)×ロボット
Automatic Guidance Vehicle(無人搬送車)の上に多軸ロボットを乗せることで作業を終えたロボットアームが別工程に自立的に移動し別作業を行うことが可能。足を持つロボットとなるため、多工程をまたがって作業する事が可能です。
おわりに
本コラムは2017年の国際ロボット展の訪問内容です。目や足、脳を持つロボットが産業用途に取り入れられつつあると感じました。その他、会場にはヒューマノイドやVRアトラクションのロボットなども多数展示。2022年3月開催の国際ロボット展でアップデート予定です。
※掲載日以降に規格番号・内容が更新されていることがございます。ご了承ください。