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食料品を購入する際、普通は原料や価格を確認して、賞味期限にはちらりと目をやる程度でしょう。
しかし、賞味期限やロット番号はパッケージの重要な部分です。この部分は、消費者に製品の使用期限を伝えるだけでなく、消費者の保護に役立つトレーサビリティ情報が含まれています。さらに、この情報は法的な要件でもあります。
この理由から、文字がはっきりと判読でき、製品寿命の終了期限までその状態を維持することが重要です。
例えば製品リコールの場合などに、該当する全製品を正しく識別して返品することができます。メーカーでは、製品の原材料までトレースして、製品の問題を引き起こす可能性のある原因を識別できる必要があります。
このプロセスの重要な部分となるのがロット番号です。
CIJ(連続式インクジェット)は、製品にロット番号を印字する方法として広く使用されています。迅速な非接触コーディングとして、幅広いタイプのインクでサポートされています。
変化し続けるパッケージに対応するため、新しいインクが次々と開発されており、消費者や市場の要求によりパッケージ開発が加速するにつれ、インクの革新も迅速化しています。
耐アルコールインクから、紫外線曝露に耐える押出成形の排水管用の耐光性のあるインクまで、用途の数に即した多種多様なインクがあります。
すべてのインクにはそれぞれわずかに異なる性能特性があります。
多くの場合ソルベントベースによる違いですが、使用に適したインクを決定する際はこの点を考慮する必要があります。
コーディング(印字)目的でインクを選択する場合に考慮すべき 5 つの重要なポイントがあります。
コーディング(印字)が行われる生産ラインのスピードを考慮します。インクにより乾燥時間は異なるため、高速の生産ラインを稼働する場合は、速乾インクが必要です。
コーディング(印字)する製品が相互に接触したり、コーディング(印字)直後に生産ラインの装置やオペレータと接触する場合は、特にこれが重要になります。
印字する素材にインクが固着するか、また、滲みや汚れのリスクがあるかを考慮します。
一部のプラスチックのような非浸透性の素材への印字は困難な場合があります。逆に、紙のような浸透性の素材では、印字された文字の「滲み」を引き起こすことがあります。
殺菌や低温殺菌プロセスへの耐性があるかを考慮します。CIJ サプライヤーが作成した印字サンプルを、自社の製造工程にかけて、各工程に対する耐性をテストします。
印字が終わった製品は、製品寿命が終了するまでの間に、紫外線をはじめとするさまざまな化学物質や環境にさらされる可能性があります。サプライヤーがこれらの条件に対するテストを実施しているかを確認します。
ご使用の CIJ プリンター専用ではない、サードパーティのインクを使う場合は注意が必要です。
CIJ メーカーで行うテストでは、自社のインクを自社のプリンターを使用してテストするため、それ以外の インクを使うと、固着不良や文字が不鮮明になるなど、好ましくない結果が生じることがあります。
最終的にプリンターの信頼性が下がり、生産ラインでコストのかかるダウンタイムや複雑な問題につながることがあります。
CIJ メーカーでは、自社のプリンターで包括的なインクテストを実施して、次の条件が確保できるようにします。
品質保証は、意思決定プロセスで不可欠な役割を果たします。
メーカーでは、高品質で耐久性のあるコーディングの印字を提供するという責任を全うすべく、選択したインクが開発段階で厳密にテストされ、厳格な手順と仕様に従って製造されたという保証を確保する必要があります。
サプライヤーが次の認証を受けていることを確認します。高品質のインクは、認可されている ISO9001 品質管理手順(検証可能)に従って特性がテストされています。
これには、次のような手順が含まれます。
インクの使用期限も判定要因の 1 つになる場合があります。インクやソルベントのすべての容器に使用期限が表示されており、期限が切れたものは使用できません。
インクやソルベントが推奨期間を超えて保管された場合、有害な化学変化が起こることがあります。
高品質インクのメーカーは、実施したテストの詳細を潜在的な顧客に提供して、有効期限内にインクを使用する場合はインクの性能に信頼がおけることを保証しています。
装置メーカーでは、顧客の安全に対する責任を認識しています。高品質インクでは、最新の国際規格により最新状態に保たれた正確な製品データ、ラベル、安全データシートが提供されています。
インクやソルベントの安全な使用に関する多くの問題について、メーカーからのサポートやアドバイスを受けることも可能です。
その他の考慮事項:
最後に、使用するプリンターのモデルもインクの選択に影響を与えます。これまで見てきたように、インクは特定のプリンター向けに開発され、テストも特定のプリンターで行われます。
たとえば、顔料の多いインクには、着色粒子を分散した状態に保つように設計された専用プリンターが必要になります。
つまり、コーディングソリューションの選択は、プリンターとインクの両方を考慮して行う必要があるということです。
コーディング(とマーキング)は今日の社会では不可欠ですが、インクを選ぶ上で簡単な選択肢はありません。
使用可能なインクの範囲は広範にわたり、不適切なインクを選択すると、ビジネスに深刻な影響が及ぶことがあります。
信頼のおけるメーカーでは、用途に合う正しいインク(およびプリンター)を提供できるようサポートしています。
記:リチャード・マースデン博士 –Linx Printing Technologies Ltd 主任化学者
リチャード・マースデン博士は、英国リーズ大学で色彩化学の学位および博士号を取得後、カナダのマクマスター大学、および英国ハル大学において有機合成化学のポストドクトラルフェローを勤めました。
1990 年に Linx Printing Technologies に入社する前は、Elmjet 社でバイナリシステム用 CIJ 用インクの開発に関わっていました。公認化学者で、王立化学協会のメンバーでもあります。
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