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コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの食品のパッケージや包装容器、ボトルなどには、賞味期限や消費期限がルールに基づいて印字されています。
食品衛生法や食品表示法の内容を通して、この記事では食の安全を守るうえで大切な賞味期限と消費期限の印字のルールについて紹介します。
賞味期限と消費期限の印字のルールは食品表示基準に係る通知(令和4年10月26日消食表第447号)や消費者庁の食品表示規格課による食品表示Q&A(最終改正令和3年3月17日消食表大116号)に記載されています。
そもそも賞味期限と消費期限はどのようなものでしょうか?賞味期限とは「おいしく食べられる期限」です。
未開封でかつ記載されている保存方法を守っている場合は、この期限をすぎても食べられないわけではありません。
一方で消費期限は、安全に食べられる期限です。消費期限を超えたものは、一般的に食べることはおすすめされません。
食品表示Q&Aでは賞味期限と消費期限の表示は、消費者に分かりやすく明記することが記載されています。
具体的には、賞味期限もしくは消費期限の事項名を表示したうえで、「年」「月」「日」(もしくは「年」「月」)をこの順番に並べて印字しなければなりません。
「年」「月」で表記できるものは賞味期限が3か月を超える場合のものです。一方で「製造年月日から○○日」や「製造年月日○○月△△日」のような記載は認められていません。
原則として日本産業規格Z8305(1962)に規定する8ポイントの活字以上の大きさの文字が求められます。
また表示可能面性が約150平方センチメートル以下のものは日本産業規格Z8305(1962)に規定する5.5ポイントの活字以上の大きさでもよいとされています。
賞味期限や消費期限と一緒にロット番号など他の番号や記号を併記する場合は、賞味期限や消費期限が明らかに分かる表示にしなければいけません。
「賞味期限 令和4年3月21日」、「消費期限 4.3.21」、「賞味期限 22.3.21」
ロット番号がA21の場合を例とします。
「賞味期限 令和4年3月21日A21」、「消費期限 4.3.21 LOT A21」、「消費期限 4.3.21 / 21」
賞味期限と消費期限の表示方法は消費者庁の食品表示規格課による食品表示Q&Aに記載されています。詳細を知りたい方はこちらのページをご覧ください。
食品表示基準Q&A
では賞味期限と消費期限の印字や表示については、どのような法律がかかわっているのでしょうか。その一つが食品衛生法です。
食品衛生法は食品の安全性の確保のために、1947年に制定された法律です。
国民の健康を保護することを目的とし、公衆衛生の面から必要な規制やその他の措置により、食中毒などの飲食に起因する衛生上の危害の防止を狙っています。
食品衛生法の第4章では、表示および広告について記載されています。
食品衛生法の第19条には”販売の用に供する食品及び添加物に関する表示の基準については、食品表示法(平成二十五年法律第七十号)で定めるところによる。”と明記され、食品や添加物の表示には食品表示法に則ることとされています。
また、第20条では"食品、添加物、器具又は容器包装に関しては、公衆衛生に危害を及ぼすおそれがある虚偽の又は誇大な表示又は広告をしてはならない。"と明記され、虚偽や誇大広告を禁止することとされています。
つまり、食品の賞味期限と消費期限の表示内容は食品表示法のルールに則る必要があるのです。
2018年6月に食品衛生法は生活環境の変化やグローバル化に対応するため、改正されました。
大きな変更点はHACCP(ハサップ)の制度化や食品リコールの報告義務化、健康食品の規制強化を含む、7項目となります。
詳細は厚生労働省の「食品衛生法の改正について」をご覧ください。
特に印字に関係する箇所はHACCP(ハサップ)の制度化と食品リコールの報告の義務化です。
HACCPとはHazard(危害) Analysis(分析) Critical(重要) Control(管理) Point(点)の頭文字からとった言葉であり、国際基準となっている衛生管理の方法です。
従来は最終製品の一部を抜き取って検査する管理法が一般的でしたが、HACCPでは原材料の入荷から製造、出荷までの複数の工程において衛生管理をチェックするものです。
最終製品と工程間の履歴とロット番号の紐づけた情報管理が推奨されており、正確なロット番号の印字が求められます。
2018年に改定された新しい食品衛生法により、2021年6月1日から、食品リコールの行政への報告が義務化され、届出された情報は消費者庁のリコール情報サイトに掲載されます。
食品回収の事例の理由には、賞味期限や消費期限の欠落や間違いも多く正確な印字が求められます。
食品衛生法では食品に関する表示内容は食品表示法に則るとされています。また食品衛生法の改正に伴うHACCAPの制度化や食品リコールの報告の義務化がされ正確な印字の重要性は増してきています。
食品衛生法では、食品表示の内容は食品表示法に則るものとされています。では食品表示法ではどのような記載がされているのでしょうか。食品表示法の概要を含めて紹介します。
食品表示法は2013年6月28日に公布され、2015年4月1日に施行された法律です。食品を摂取するときの安全性を確保するため、食品表示の目的の統一と拡大のために制定されました。
食品表示法は食品衛生法とJAS法(旧:農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)および健康増進法の3つの法律の食品の表示を一元化させたものであり、食品に関する表示や基準の策定やその他の必要な事項が明記されています。
また、事業者にも消費者にもわかりやすい表示を目的とした食品表示基準も策定されています。
食品表示法の第2章には食品表示基準に関する内容が明記されています。特に第4条に食品表示基準の策定などに関する事項が記載されており、表示内容について内閣府令にて規定されています。
具体的には”名称、原産地(生鮮食品)、原材料名、アレルゲン、遺伝子組換え表示(対象品目、表示方法)、添加物(具体的な記載方法)、内容量、消費期限、賞味期限、保存方法、原産国(輸入品)、原料原産地(対象品目)、事業者の名称及び所在地、栄養成分及び熱量(対象成分)並びにその表示方法、表示に用いる文字の大きさなど”です。
また、第5条では、”食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない”と明記され、食品表示の順守が求められています。
食品表示法では表示項目が定められており、食品表示の順守が求められているのです。表示項目の詳細は食品表示基準に係る通知(令和4年10月26日消食表第447号)や消費者庁の食品表示規格課による食品表示Q&A(最終改正令和3年3月17日消食表大116号)にQ&A方式にて記載されています。これらを参考にして法令を遵守した表示しなければいけません。
この記事では賞味期限と消費期限の印字ルールを食品衛生法や食品表示法を通して紹介してきました。
賞味期限と消費期限の表示方法は食品表示法により定められており、消費者に分かりやすく表示しなければいけません。
また、食品衛生法の改正によりHACCPの制度化や食品リコールの義務化など正確な印字の重要性も増しており、法律に即した正確な印字が求められているのです。
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