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GS1 QRコード、GS1データマトリクスとは

流通で使用が推奨されるGS1二次元シンボル(GS1 QRコード、GS1データマトリクス、QRコード(GS1 Digital Link方式)、データマトリクス(GS1 Digital Link方式))について詳しく解説します。

GS1二次元シンボルとは?

GS1二次元シンボルは、商品に関する情報を効率的に管理・共有するために使用される二次元コードです。
これにより、サプライチェーン全体でのトレーサビリティが向上し、商品管理が容易になります。具体的には、製品のJANコードや賞味期限、ロット番号、販売期限などの情報を一つの二次元シンボルに集約できるため、様々な用途に使用できます。
さらに、GS1二次元シンボルは、従来の一次元シンボルと比較して、より多くの情報を小さなスペースに収めることができるため、パッケージデザインの自由度も高まります。
これにより、消費者や取引先に対してより多くの情報を提供することができ、信頼性の向上にも寄与します。

日本の流通で推奨される二次元シンボルの種類

GS1(流通コードの管理及び流通標準に関する国際機関)では、POSを通る商品について2027年度末までに既存の一次元シンボル(バーコード)に加えて、二次元シンボル(QRコード(GS1 Digital Link方式)、GS1データマトリクス)を使用することを目標としています。
また、食品原料および資材、一般消費財の集合包装*の流通に使用するコードとして、GS1 QRコードまたはGS1データマトリクスの使用を推奨しています。
以下がパッケージごとに使用する二次元シンボルのイメージです。

  • *医療用医薬品は対象外
  • *JANシンボルの表示が停止・禁止されるわけではありません
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主な表示対象 エンコード方式 名称 イメージ エンコードできる情報 特長
消費者購入単位の商品 GS1 Digital Link URIシンタックス QRコード GS1 QRコード GTIN+属性情報 POSレジで読み取る商品で活用
またスマホ等のモバイル端末を通じた情報提供でも利用可能
消費者購入単位の商品 データマトリックス GS1 データマトリックス GTIN+属性情報
企業間取引単位の商品、原材料・資材 GS1 element string シンタックス GS1 QRコード GS1 QRコード GS1識別コード 属性情報 国内の原材料や集合包装単位などへの表示が始まっている
消費者購入単位の商品、企業間取引単位の商品、医療機器、通い容器、資産 GS1データマトリックス GS1 データマトリックス GS1識別コード 属性情報 海外ではヘルスケアやPOSレジを通す商品など広い分野での活用が拡大している
医療用医薬品 合成シンボル データバー GTIN+属性情報 国内の医療用医薬品で活用
  • ※GS1 Japanの資料を元にアルマーク作成
  • ※GS1 Digital Link URIシンタックス:GS1アプリケーション識別子(AI)を使って情報をエンコードする。Webで直接閲覧できる形式(URI)で表現
  • ※GS1 element string シンタックス:GS1アプリケーション識別子(AI)を使って情報をエンコードする。データの冒頭にはそのシンボルがGS1標準であることを示す制御記号を挿入する

海外での動き

GS1 Sunrise 2027イニシアティブにて20社以上のグローバル企業がGS1二次元シンボルへの移行を呼びかける合同宣言を出しました。
2027年末までの二次元シンボルの使用を目指しています。現在48 か国でパイロットが実施されており、これは世界のGDPの 88% を占めています。

GS1二次元シンボル活用のメリット

期限切れ商品の販売防止

期限切れの商品の販売は消費者の信頼を失う原因に。POSレジで商品の期限情報を読み取り、販売を防止。

食の安心・安全をお届け

日付やロット別などのきめ細かい情報提供が可能に。

複数のバーコードを1つに集約

GS1二次元シンボルなら、1シンボルに様々な情報をまとめられます。余ったスペースは商品のPRに活用。

店舗業務効率化

期限情報の確認を目視からバーコード読取に。ミスなく素早い検品が可能に。

ダイナミックプライシング

賞味期限をPOSレジで確認することにより、より細かな値引きが可能に。効率的な売り切りを実現し、フードロスにもつながる。

売上アップ!?

期限情報・ロットごとのデータ活用で高度な販売戦略を実現。

※GS1 Japan「JANシンボルから二次元シンボルへ」より引用

※GS1活用の事例はGS1 Japan webサイトをご覧ください。

特長

GS1二次元シンボルの特長

GS1二次元シンボルには150を超える種類の情報を登録する事が可能で企業活動に合わせて活用できます。
その情報を以下のアプリケーション識別子を使用して登録します。

例)JANコード:4571570195053、賞味期限:25年8月1日、ロット番号:12abc ⇒ (01)04571570195053(15)250801(10)12abc

GS1アプリケーション識別子(AI)一覧

GS1が標準化した、さまざまな情報の種類とフォーマット(データの内容、長さ、および使用可能な文字)を管理する2桁から4桁の数字のコードです。
商品製造日、ロット番号などのデータの先頭に付けて使用します。アプリケーション識別子は、英語名称のApplication(アプリケーション) Identifier(アイデンティフィァー)の頭文字をとって、AI(エーアイ)とも呼ばれます。AIを使うと、商品識別コードやさまざまな属性情報を、どこの誰とどのシステムとの間でも共通化された方式で、バーコード化して伝達することができます。
AIは150以上あり、以下はその一例です。

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AI データ項目 識別子の定義・内容
00 出荷梱包シリアル番号
(SSCC)
物流・出荷単位の個別識別に使用するシリアル番号(SSCC: Serial Shipping Container Code)。 拡張デジット(0~9 の数字)1 桁+GS1 事業者コード+物流単位ごとの識別番号+チェックデジットの合計 18 桁。
01 商品識別コード
(GTIN)
商品識別コード。 ある商品またはサービスを国際的に一意に識別するための番号(GTIN: Global Trade Item Number)。 長さは 8 桁、12 桁、13 桁、または 14 桁がある。 14 桁未満の GTIN をAI(01)により表現する場合は、GTIN の先頭に必要分だけ0 を足して14 桁とする。
02 物流単位(パレットなど)の中に収納された最大梱包レベルの取引単位(ケースなど)の商品識別コード。 全て同じ GTIN を持つ取引単位により構成される物流単位にのみ使用する(混載には使用できない)。 常に、AI(00)SSCC および梱包単位に含まれるこの取引単位の個数を示すAI(37)とともに使用する。
03 受注生産品の商品識別コード。UDI-DI(機器識別子)として使用し、ロット番号やシリアル番号と組み合わせて使用する。AI(01)と同じ値を使用することはできない。
10 バッチ/ロット番号 識別のためメーカーが設定する記号番号 (ロット番号、バッチ番号、加工処理番号、シフト番号など)。
11 製造年月日 メーカーが定義する製造または組み立て日。 ISO のフォーマットYYMMDD* (例: 製造年月日“180707”)で記述。
15 品質保持期限日
(賞味期限日)
製品を使用・消費する際に望ましい品質が保持される期日を示す。 この期日を過ぎても、使用は可能な場合もある。 ISO のフォーマットYYMMDD*(例: 品質保持期限日"181115") で記述。
16 販売期限日 製造者が決定する販売者が消費者に対して製品を販売できる最終の日付。 これを過ぎて販売するべきではない日付。 ISO のフォーマット YYMMDD*(例: 販売期限日"181115") で記述。 ブランドオーナーが顧客のために販売期限日を表示することに同意した業界で利用す る。
17 有効期限日
(消費期限日)
有効(使用)期限、薬効期限など。 製品が使用または消費に耐え得る期日を示す。 これ以降の使用・消費は直接または間接的なリスクを生じる可能性がある期日。 ISO のフォーマット YYMMDD*(例: 有効期限日“181205”)で記述。 Expiration Date/Use By Date とも。
8008 製造日・製造時間 商品の製造日および製造時間(秒まで記述可能)。 必須の YYMMDDHH と、任意の MMSS
を表示する。
21 シリアル番号 製品のライフタイム全体にわたって、メーカーが設定した連続番号、またはコード(例: 製造シリアル番号、追跡可能番号、連絡管理の ID 番号など)。
240 メーカーによって付番された追加の商品識別番号 メーカーが独自に付番した追加の商品識別番号。 過去に使われたカタログ番号の相互参照のために使用。 単独では使用することができず、必ず AI(01)、AI(02)、AI(8006)または AI(8026)とともに使用する。
241 顧客製品番号 顧客が発注に使用する製品の識別コード。 GTIN 以外の商品識別コードをGS1 データキャリアにより表示する際に使用。 GTIN の使用を開始するまでの移行期間限定として合意した企業間に限って用いることができる。
37 物流単位に含まれる最大梱包レベル(ケースなど)の入り数、または商品 (GTIN)を構成する部品、部材の入り数 ある物流単位が複数の同一取引単位で構成されている場合に、その取引単位の物流単位内の入り数を示す。 または大型の商品で、一つの商品(GTIN)が物流単位(パレットなど)として複数に分かれる場合、一つの物流単位に収納された、部品、部材の入り数を示す。 常に AI(00)SSCC およびAI(02)または AI(8026)と併用される。
410 企業・事業所識別コード
(GLN)
出荷先(納品先)コードとして使用する。
(GLN: Global Location Number)
4300 出荷先/配達先の企業名 出荷先/配達先の企業名。 フリーテキストで記述するため、ラテン文字以外もしくはスペースキャラクターも使用可能。 輸送単位の属性であり、SSCC とともに使用する。
4302 出荷先/配達先住所 1 出荷先/配達先の住所 1。 フリーテキストで記述するため、ラテン文字以外もしくはスペースキャラクターも使用可能。 輸送単位の属性であり、SSCC とともに使用する。
8013 モデル識別番号
(GMN)
製品モデルを識別する番号(GMN: Global Model Number)。 GS1 事業者コード+モデル番号(最大 23 桁)+チェックキャラクタ(2 桁)で構成。
  • *日付の表示をしない場合は DD にする。

*GS1 Japan「AI一覧表」より抜粋

GS1二次元シンボルが使用可能なインクジェット一覧

当社の機器でGS1二次元シンボルをダイレクト印字可能です。
印字サンプルをお作りする事が可能ですので、デモフォームよりお申し付けください。

まとめ

この記事では、GS1二次元シンボルと業界の流れについてご紹介しました。今後新たな情報が出てきたら追加していきます。

  • * GS1 Japan作成コンテンツの著作権は全てGS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)に所属します。
  • *「QRコード」はデンソーウェーブの登録商標です。