インクジェットプリンターライブラリー

インクジェットプリンターとは

インクジェットプリンターとは液体のインクを対象物に飛ばして、印字・印刷する装置です。
インクジェットプリンターは家庭で普及しているだけではなく、産業用途でも多くの用途で使用されています。

この記事ではインクジェットプリンターとはどのようなものであるか、その方式や他の印刷・印字方式との違い、活用事例などを紹介します。

インクジェットプリンターとはどんなもの?

インクジェットプリンターとは、液体のインクを使って印刷するプリンターです。インクを吐出させて対象物に文字や図形などを印字します。
インクジェットプリンターの特徴として、印刷のように版は必要なく、複写機やレーザープリンターと異なり、熱定着処理が不要です。また、非接触でインクを吐出する方式のため、対象物が平坦でなくともよいです。

インクジェットプリンターの印刷対象物は様々です。たとえば、紙やプラスチック、電線やケーブル、金属、樹脂、ガラスなど多くの素材に対応しています。
また、印字の大きさも多様です。数cm角の大きさもあれば、電子部品のような数mmのサイズまで対応可能です

インクの種類

インクジェットプリンターのインクもさまざまです。家庭用のプリンターのような一般的なインクから、速乾性のインクや耐アルコール性のインク、紫外線硬化インクなどがあげられます。
その他の種類のインクもあるため、使用状況に合わせたインクの利用が必要です。

インクジェットプリンターとはどのような方式?

では、インクジェットプリンターの方式にはどのようなものがあるのでしょうか。一般的にはコンティニュアス方式とオンデマンド方式に大別されます。

コンティニュアス方式

コンティニュアス方式

コンティニュアス方式のコンティニュアスとは英語で”continuous”と表記し、「連続的な、切れ目のない、とぎれない」といった意味を持ちます。つまり、コンティニュアス方式とは液滴を連続して生成して吐出する方式です。

また、印刷してないときにもインクは常に循環しています。
そのため、コンティニュアス方式のインクジェットプリンターでは速乾性のインクの利用が可能です。一方で、インクの回収機構が求められ、小型化が難しいデメリットを有しています。

オンデマンド方式

オンデマンド方式は常にインクを循環させるコンティニュアス方式と異なり、信号に応答して必要な際にインクを吐出するプリンターです。

オンデマンド方式は構造が比較的簡単であるため、小型化や多ノズル化が可能です。一方で、高粘度のインクの吐出が困難です。
また、オンデマンド方式はサーマル方式、ピエゾ方式、バルブ方式の3つの方式に分けられます。

ピエゾ方式

ピエゾ方式

ピエゾ方式は電圧を加えると変形する素子である「ピエゾ素子」を利用した方式です。ピエゾ素子に電圧を加え変形させて発生した圧力を利用してインクを吐出します。
インクの液滴量の制御もしやすく、幅広いインクを利用できます。一方で、圧電素子の構造が複雑であり、小型化も困難であるデメリットがあります

サーマル方式

サーマル方式

サーマル方式はヘッド部分のヒーターでインクを瞬時に加熱し、インク内に気泡を発生させて、その圧力でインクを吐出する方式です。

サーマル方式はヘッドの構造が比較的単純であり、印字画素の高密度化もしやすく、印字速度の高速化も容易です。一方で、ヘッドの寿命が比較的短い点や加熱しても熱劣化の少ないインクを使用しなければいけません。

バルブ式

バルブ式

バルブ方式のインクジェットプリンターは、電磁バルブを信号の応答により開閉させインクを加圧させながら吐出する方式です。

ピエゾ式よりもインクの吐出圧力が高いため、対象物とのノズルとの距離を広く取れます。
一方で、ピエゾ素子に比べて、インクの粒も大きくなるため、比較的粗い印字になります。

インクジェットプリンターとは どんなメリットがある?

印字方式はインクジェットプリンターに限らず、スタンプや刻印機、ラベラー、ホットスタンプなどのさまざまな代替手段があります。
これらとインクジェットプリンターを比較した内容をご紹介します。

コスト

コスト面では、インクジェットプリンターは人手作業も少なく人件費は少なくなります。また、材料費の観点でもインクジェットプリンターはインク・溶剤だけです。
ラベルや刻印機用の版、ホットプリンタのインクリボンなどは不要です。

生産性

生産性の観点ではインクジェットプリンターは段取り替えの発生を最小限にできます。
刻印機やホットプリンタなどでは製品ごとの位置決めや版の取り換え作業などが必要です。また、高速印字も可能であるため、生産効率も向上します。

品質

インクジェットプリンターは高品質な印字が可能です。非接触・自動であるため、作業者の違いによる印字ばらつきや印字版の摩耗などによる文字の欠けやかすれを防げます。
自動で印字できるため、印字品質を高められるのです。一方で刻印と異なり、永久的な印字はできません。

管理

管理の面でもインクジェットプリンターは簡単です。非接触印字のため、版も不要であり管理工数を削減できます。また、カートリッジ式のインクジェットではメンテナンスが不要で、最小限の人手で管理できます。

インクジェットプリンターとは どの業界で活用されているのか

インクジェットプリンターはあらゆる分野で使用されています。

たとえば、食品分野では、パウチや樹脂容器への賞味期限の印字、化粧品分野では化粧箱やガラス瓶などへのロット番号の印字です。電子部品分野では小さな電子部品へのロット番号や規格を印字します。
そのほかの業界でも自動車や金属、木材や紙製品など業種に限らずさまざまな材質へもインクジェットプリンターを使用した印字がされています。

アルマークが提供するインクジェットプリンターとは

これまでアルマークでは食品包装への印字や化粧品ボトルへの印字、電子部品への印字、自動車部品への印字などさまざまな業界へインクジェットプリンターの納入した実績があります。
印字にお困りの際はアルマークへぜひご連絡ください。